2011年から朝来市生野町で開催してきた生野ルートダルジャン芸術祭の関連事業。
2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響によりアート鑑賞及びアートイベント・芸術祭の在り方が問われる大きな転機となりました。また、生野ルートダルジャン芸術祭も例外ではなく、2020年3月の開催時には、開催の在り方しいては開催そのものも危ぶまれました。
そんな中、コロナ以降のこれからの地域芸術祭の展開図として、国内では潮流の総花的・大規模な芸術祭を志向するのではなく、アート作品の鑑賞以外の観光プログラムを強化した持続可能な地方の経済的自立を目指す別プロジェクトの可能性を模索しました。
本プロジェクトは、招聘アーティスト1名による複数個所でのアート展示+食や宿泊、ツアーを組み合わせ、より地域の観光資源をクローズアップしてアートとコラボレーションし、地域の魅力の発信と想像・共有を目指します。また、1人のアーティストに限定することで、アーティスト個人が有するコンセプトやメッセージをダイレクトに鑑賞者に届けたいと考えています。
今後の展開として、文化芸術の地域インフラを整備し(アーティストインレジデンス施設、アトリエやギャラリー)、地域コミュニティの活性化や全国的に展開している地方芸術祭やアートプロジェクトとの協働と連携を図っていくことを目指しています。
本プロジェクトを通じてアーティストの想いや生野の歴史や物語を残すことと、生野に滞在し得た体験が、鑑賞者及び参加者の記憶にとどまり、様々な形で継承されて発展していくことを願います。また、アート表現により少しでもこの社会情勢の中、心の癒しや活力を届けられたらと思うのと同時に、今後の若手アーティストの表現活動の後押しになれることを願います。
ディレクター 小國陽佑